【考察】WR250XとWR250Rは何が違うのか?

よく聞かれるWRXとWRRの違いについて語ります。
間違ってたらすみません…。

けん

2モデル出てて兄弟車ってのは知られてるけど、違いについて語られることはあまりない。

WR250XとWR250Rの互換性

はじめにこちらの画像をご覧いただきたい。

この3台はWR-RとWR-Xが混じってます。
どれがRでどれがXか分かりますか?

けん

Xも含め全員オフロードホイールを履いてます。

正解は…

けん

当たってましたか?
正解できたら相当なWRマニアです。

上記の画像で分かる通り、WR250XとWR250Rはほぼ同じバイクです。
小さな違いはあれどベース車両が同じなので当たり前ですね。

共通パーツが多いため、以下どちらも可能です。素晴らしい。
・WR-Xをオフロード化
・WR-Rをモタード化(オンロード化)

けん

かくいう私もWR-Xをオフロード化してます。
年に数回モードチェンジしてオンオフ両方楽しんでいます。

左がモタードモード、右がオフロードモード。
どちらも私のWR-Xで同一車両です

ここで多くの人が疑問を抱きます。

“オフ化WR-X” = “WR-R” なのか?

答えはNoです。
では、どこが違うのか見ていきましょう。

見た目の違い

パッと見て分かる違いがいくつかあります。

フレームの違い

正面から見ると分かりづらいですが、フレームの色にも違いがあります。

WR-Rは銀フレーム
WR-Xは黒フレーム

とはいえフレームの材質や性能に違いはありません。
どちらもアルミフレームです。
諸元表の車体重量も同じなので、塗料による重さの違いも誤差レベルでしょう。

けん

WRマニアたちはXとRをフレーム色で見分けています。

外装色の違い

外装色にも違いがあります。

けん

…が、これはデカール貼ってたらもう分からんよ。
中古外装買ってつける人も多いしね。

カラーは毎年違うのですが、非常に分かりやすい特徴として、WR-Xには2008/2009以外ブルー外装が存在しません。

2008/2009年のカラーにはWR-X,WR-Rともにヤマハ伝統のパープリッシュブルーがありました。

WR-Xはブラック、WR-Rはホワイトなので少し違いますね。

しかし、2010年にはWR-Xのパープリッシュブルーは消え、その後出ることはありませんでした。
一説では、「ヤマハのワークスカラーを、異種であるモタードが纏うのは不適切」という声が大きかったそうです。

けん

WR-Xのパープリッシュブルーを見ると「おっ」ってなります。
殆どは中古外装を買った人だけどね。

2010年以降は
・WR-Rはブルー固定+ブラックorホワイト
・WR-Xはブラックとホワイト
という外装色が続きます。(海外を除く)

ファイナルの2017はWR-Xはブラック/ホワイト、WR-Rはブルー/ホワイトというカラー展開でした。

ただ、冒頭にも書いた通りデカールを貼る人が多いので、ほぼ外装色での見分けは不可能です。

私のWR-Xもブルー外装にしています。
(オーダーデカールのスカイブルーですが…)
けん

ちなみに外装はフォークガードの形状がビミョーに違う。
ホイール径が違うのでRのフォークガードをXに付けるとタイヤがぶつかるぞ。

性能面の違い

性能の面でもいくつか違いがあります。
と言っても味付けや個性のレベルで、どっちが速いという話ではないです。

エンジンパワー/加速とトップスピード

エンジン出力は全く同じです。
同じエンジンを使っていることはもちろん、パーツやECUのマップレベルでも同じです。

WR-XWR-R
馬力31ps/10,000rpm31ps/10,000rpm
トルク24Nm/8,000rpm24Nm/8,000rpm

ただし、パワーウェイトレシオはWR-Rが僅差で優れています。
これは車重がWR-Rの方が2kg軽いためです。
WR-Xはタイヤとチューブが太いためです。

WR-XWR-R
車重134kg132kg
パワーウェイトレシオ4.32kg/ps4.26kg/ps
けん

「じゃあゼロヨン競わせたらWR-Rが勝つか」
って言ったらそんなに差はないと思う。

さらに、WR-XとWR-Rはスプロケット丁とホイール径が異なります

WR-XWR-R
前スプロケ13T13T
後スプロケ42T43T
ホイール径前後17インチ前21インチ
後18インチ

後スプロケは…
・丁数が大きいほど加速が伸びトップスピードが落ちる
・小さいほど加速が落ちトップスピードが伸びる

ホイールは…
・径が大きいほどトップスピードが伸び加速が落ちる
・径が小さいほど加速が伸びトップスピードが落ちる

けん

WR-Rはスプロケが加速寄り
WR-Xはホイールが加速寄り

…打ち消しあって同じになる?

ということで、どっちが速いとかは誤差の範囲です。
誰かゼロヨンでXとRの勝負した人とかいたら教えてください!

ブレーキングの違い

ブレーキング能力は明らかにWR-Xの方が高いです。

WR-XWR-R
前ブレーキディスク径298mm248mm
後ブレーキディスク径230mm230mm

WR-Rはオフを前提に考えているため、過剰なストッピングパワーはいらないためです。
逆にWR-Xはサーキット等のオンを前提に考えているため、ストッピングパワーはあればあるほど良いです。

けん

設計思想の違い。
とはいえ街でよく止まってくれるのはWR-Xですね

サスペンションの違い

これが一番大きな違い。
WR-XとWR-Rを迷ってる人はこれを基準に考えた方が良いくらい。

結論から書くと
WR-Xをオフ化してもWR-Rほどのオフ性能は得られない
WR-Rをオン化してもWR-Xほどのオン性能は得られない

です。

ちなみに諸元表のスペックに差はありません。

WR-XWR-R
フロントフォーク倒立フォーク倒立フォーク
リアサスペンションモノサスモノサス

ただし、サスペンション内のバネの硬さ(スプリングレート)が異なります。

けん

機会があれば乗り比べてほしいです。
跨って車体を揺らすだけで柔らかさが違うのが分かります。

WRのサスを多くオーバーホール/リバルビングしているテクニクス様に「WR-Xのサスをリバルビングしたい」と問い合わせた際、以下のようなご意見をいただたきました。

WR250Xのスタンダードのサスペンションは残念ながら完全にモタード向けとは言えません。
ダンパーはオフロード程度、スプリングのみオンロード向けにしていると言うレベルになります。

その為にオンロード走行では、バネバネしい動きの速いサスペンションとなり、タイヤを上手く押せませんし、バタバタした動きになりがちです。

おそらくWRのサスペンションはWR-Rをオフに合わせて開発し、WR-XはRをベースに味付けを変えた、ということです。

つまりこんな感じです。

WR250X
  • オンロード
    →オフベースなのでバネバネしい。
    (リバルビングで減衰力強化し、跳ね返りを抑えるカスタムが推奨されている)
  • オフロード
    →スプリングが硬すぎる

WR250X
  • オンロード
    →攻めるにはスプリングが柔らかすぎる。跳ね返りも強い。
  • オフロード
    →開発チームの想定ユースのため初めから適正化されている。
    (レーサーと比べるとアレですが…)

けん

とはいえ街や峠、林道で乗る分にはどっちも楽しめます。
ガチでスポーツするなら弄らないと本領が発揮されない、という話。

足つきの違い

街乗りする人は必見、足つきの話です。
WR-Xの方がタイヤが小さいため20mmほど足付きが良いです。

WR-XWR-R
シート高(日本仕様)870mm895mm
シート高(海外仕様)905mm930mm(36.6inch)

当然WR-Xをオフ化するとWR-Rと同じ足つきになります。
ちなみに173cmで日本仕様のWR-Rに乗ると両足爪先立ちです。

165cm以上ある人は気にしなくて良いと思います。
軽いので片足つけば乗れます。

まとめ。

オフ化したWR-Xもかっこいい

というわけで結論、
WR250Rをオン化しても完全なWR250Xにはならない。
WR250Xをオフ化しても完全なWR250Rにはならない。

ということでした。

ただし、エンジョイするくらいならオフ化/オン化は有効です。

けん

実際に私はオフ化WR-Xでハードエンデューロ等のイベントに何度か参加してます。
素人がオフでキャッキャする分には全く大丈夫。
WR-Rのオン化でサーキット走る人もいます。

というわけで、みんなにはWR-Rをオン化してほしいし、WR-Xをオフ化してほしい!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です