ある日、私のバイクのカバーを捲るとチラシが貼られていた。
業者の名前は「バイクセンター」らしい。ちなみにこの写真は2020/5のチラシです。
チラシを破り捨て乗り込んでブン○りたい気持ちを抑えて、いったん調査してみた。
もくじ
バイクセンターってどんな会社?
「バイクセンター」でググると出てくるのはこちらのサイト、たしかにサイト名はバイクセンターとなっている。
しかし会社概要を見るとチラシの古物商の公安委員会認定番号が異なっている。
(HP)
千葉県 第441420000342号
東京都 第307781307183号
埼玉県 第431050027216号
神奈川 第451420007607号(チラシ)
第611040160580号(東京都?)
住所も違う。
(HP)
千葉県佐倉市井野1459-1(チラシ)
東京都足立区足立3-25
というか、そもそもHPにこんなバナーが貼ってあった。どうやら、このHPのバイクセンターとチラシのバイクセンターは無関係のようだ。
GoogleMapでこのHPのバイクセンターに「チラシ貼るんじゃねえ」的なレビューを書いて☆1をつけている人が何人かいるようだが、やめてあげよう。
可哀想すぎる。一番の被害者はこの会社かもしれない。
じゃあチラシ貼ったの誰なの?いろいろ調べてみた。
じゃあチラシ貼った奴らはなんなの?ってことで色々調べてみました。
公安委員会認定の番号(611040160580)
「公安委員会認定 第611040160580」とそれっぽく公に認められた会社のように書いてありますが、この認定番号もおそらく嘘です。
東京都が公開する古物商の公安委員会認定番号はこちら(注PDF)ですが、そもそも古物商の認定番号は3~始まっており、6~始まりません。
当然、記載の番号の古物商登録は確認できませんでした。
東京都曰く、PDFに全ての番号が載っていることは保証できないそうです。しかし、この番号はかなり高確率で嘘でしょう。
住所(東京都足立区足立3-25)
住所は「東京都足立区足立3-25」ですが、これも嘘です。
この住所は3丁目25番地X号まで続くものであり、3-25で終わると地域までしか絞れません。
一応GoogleMapで表示するとこんな感じ。例えば郵送でこの住所を指定しても、郵便局で「3-25のどこ?」と聞き返されるでしょう。
ちなみにこの一帯をストリートビューでくまなく回りましたが、バイクセンターの文字は見えず。
本当に販売実績20万台なら少なくともバイク数台を置ける土地を持っているでしょうけど、そんなものは見当たりません。
全国20店舗で買取実績20万台以上?
店舗数、買取実績も高確率で嘘です。
ここで他の業者の販売実績を見ると、業界最大手のレッドバロンは国内306店舗、年間販売台数が9万台です。
レッドバロンと同様の販路、工場、人材があったと仮定しても20店舗だと年間5,882台しかバイクは売れません。
つまり20万台売るのに34年かかります。34年前から20店舗あったと仮定して、です。
無理があるでしょう…。たとえ無修理で業者オークションに流すだけだとして、バイクの在庫を置くだけでも膨大な敷地が必要です。
この計算では、1日16台はバイクセンター(偽)にバイクを売っている人間がいるはずですが、TwitterやInstagramで「バイクセンターにバイク売った!」って人みたことありますか?
全国に20も店舗がある?
これも高確率で嘘です。
全国に実店舗が20店舗あるがHPはない、GoogleMapに登録がない、古物商登録がない、はほぼあり得ないでしょう。
架空業者の業者…?それとも無許可営業?
無許可の古物商か、架空の業者か不明ですがおよそマトモな会社ではなさそうです。
電話は本物でつながるそうですが、クレームと分かるとすぐ一方的に通話終了するようです。
彼らの目的は何か、窃盗目的という噂は本当か。
おそらく窃盗目的ではありません。
窃盗団のマーキングだという声がネット上にみられますが、根拠がありません。
一個人の推測が広まったものであり、逮捕された加害者が証言したわけでも、盗難された被害者が証言したわけでもありません。
カバーを剥がして査定額を書いてチラシを貼る、駐輪場全台にやると数分経過します。
窃盗団がわざわざ捕まるリスクを犯すにしては、得られるものが少ないと感じます。
「チラシを剥がすまでの時間を見てる」という声もあるので頻繁に駐輪場を確認したりしましたが、チラシを貼ったあと定期的に確認する人間はいなさそうでした。
というか、そんな人間いたら不審すぎます。チラシ貼っただけで警戒するのに、その現場に何度も戻ってくるとか…。
目的はおそらく買取ではあると思いますが、まともな価格で買い取られるとは思えません。また、古物商登録が嘘のため、その後の販路も不明です。
実際盗まれないの?
実際、私の駐輪場にはこの業者が3回以上来ています。
チラシを貼られたバイクの中にはカバーもかけず放置状態のものもあり、チラシがハンドルについて1ヶ月以上放置されている時もありましたが、盗難されませんでした。
「運が良かっただけ」「盗難する価値がないバイクだった」などの推測はできますが、「1ヶ月チラシを放置しても盗難されないケースがある」というのは事実です。
捕まえられる?犯罪じゃないの?
素人ながら調べたところ、住居侵入罪(刑法130条)に問うことは難しそうです。
いわゆる不法侵入は住居侵入罪であり、邸宅などに適用されます。
一軒家の柵の中に駐車場がある場合は邸宅の一部として扱われた判例もありますが…青空の月極駐車場では刑事事件にするのは難しいでしょう。
バイクを壊された!などの場合は器物損壊罪(刑法261条)で被害届を出しましょう。
ただし、電話をしてもガチャ切りされる、会社住所が嘘、ということから直接の会話は難しそうです。
どうしても会話したい場合は、買取を依頼するフリをして業者を呼ぶしかありません。
…が、どんな人がくるか分かりません。相当な勇気が必要だと思います。予め警察を呼んでおくなど、必要な自衛策は取りましょう。
申し訳ないが、私有地入ってチラシ貼りたくるやつらがマトモとは思えない…。
実際にチラシを貼られなくなった対策
周りのバイクは相変わらず貼られていますが、対策をしてから私のバイクだけは貼られません。
対策は大きく2つです。
- カバーの前後に鍵
- 防犯アラームを見えるところに設置
要するに、チラシを貼るのを面倒にすることが大事です!
カバーの前後に鍵をかけることで、カバーをめくれなくします。彼らは査定できません。
チラシだけでも置いとくことはできますが、ここでアラームを置いとくと振動でなることを恐れ、バイクにも触りません。
鍵は適当なのでもOKですが、前後2つだと鍵が共通じゃないと面倒なのでこういうやつを購入。
※バイク用品店で5000円ほどだったので、楽天よりライコランドなどの方が安いかも。
アラームは最安値のこちらを使用。これは絶対用品店よりAmazonのが安い。
大事なのは、とにかく目立たせること。赤や青などのロックがオススメですし、アラームは見えるところにセットしましょう。
ちなみに隣に貼られてたチラシを許可頂いて撮影させてもらいました。2021/4現在店舗が10店舗増えて30店舗に!買取実績は80万台増えました!
他の業者は?バイクエースを調べてみた。
ちなみに私のバイクにチラシを貼った業者はもう1組、「バイクエース」というところがあります。
こちらはカバーの上からチラシを貼っていっただけ。十分悪質ですが。
GoogleMapでみてみると…実店舗があった!こちらは架空の会社ではなさそう。
あと歩いてたら港区で買い取っているのを見かけました。ちゃんと横浜ナンバーです。
SIXDAYSをこんなチラシ貼られて売るのか…ってのはいったん置いとこう
まとめ。チラシを貼ったから盗難業者!ではない。
チラシを貼った業者は確かに目的が不明で不気味です。
が、おそらくその目的は買取であり、実際に店舗を持つところもあると分かりました!
対策はカバーをする、前後鍵をする、アラームをつける、と窃盗団に対するものと変わりません。
自分のバイクは自分で守らないと、ダメってことですね。
バイク売りたいって人も、個人的にはこういう業者に売るより信頼できるバイク業者に声掛けた方が良いと思いますよ…。
勝手に敷地入ったあげくカバー外して査定するんか…。