WR250R/Xでスポーツしてる人は半クラを多用するのでクラッチが早く減ったりします。
クラッチプレートを換えれば復活するぜ!ってメンテナンスの側面と、クラッチのキレを良くするカスタムの側面がある「クラッチ交換」の解説です。
もくじ
動画もあるんじゃ
クラッチ交換の時期は?
サービスマニュアルに記載のクラッチメンテナンスの周期は2年ごとです。
2年おきにクラッチ開けろってか。誰もやってないわそんなん。
クラッチを開けた際に各状態をチェックして交換時期がきているかチェックするのがヤマハの推奨。
- フリクションプレート厚さ
新品:3.10mm
使用限度:2.80mm - クラッチプレート歪み
新品:歪みなし
使用限度:0.10mm - スプリング
新品:41.20mm
使用限度:39.14mm
※ここまでのパーツは損傷があれば使用限度に関わらず交換 - クラッチハウジング/クラッチボス(クラッチケース)
損傷・ピッチング・摩耗があれば交換
イチイチ開けて測る人はいないと思うので、実際は滑ったら交換くらいに思ってください。
あとは私のようにクラッチのキレが悪いからカスタムついでに交換でも良いと思います!
必要なお買い物リスト
例のごとく必要なお買い物から!
純正パーツはWebikeの純正5%オフのときに買うとお得だぞ!
クラッチ&フリクションプレート
クラッチの本体とも言えるプレートです。
WRはごくごく一般的な湿式クラッチ。教科書通り2種類のプレートで構成されています。
- クラッチプレート
型番:3XJ-16324-01
価格:1100円(税込)
数量:6枚 - フリクションプレート
型番:3xj-16321-00
価格:1749円(税込)
数量:7枚
(※注意)フリクションプレートの方が1枚多いです。
ちなみにフリクションプレートは社外品もあります。
F.C.Cとかが出してますが、ボアアップや吸排気カスタムをしていない場合はオーバースペックな気がします。
WRのクラッチは純正エンジンのパワーをベースに設計してあるはずです。
つまり、極端にパワーアップしている場合は、クラッチの圧着が追い付かず滑っている可能性があります。
そんな変態カスタムをしてる人は社外フリクションプレートを検討しよう!
ガスケット
クラッチを開けた際はガスケット交換が必須です。
ぶっちゃけ交換なしでもオイル漏れしないと思います。
が、サービスマニュアル的には必須で交換。
高くないんで交換しましょう。
- ガスケット
型番:3D7-15453-10
価格:968円(税込)
数量:1枚
クラッチスプリング
せっかくならスプリングも交換しましょう。
プレートが滑ってるくらいならスプリングもへたってることが多いと思います。
- クラッチスプリング
型番:90501-23391
価格:363円(税込)
数量:5本
※XよりRの方がスプリングが硬いという噂をネットで見ましたが嘘です。パーツリスト見ましたがRもXも型番一緒でした。
私は今回アドバンテージの強化スプリングを購入!5本セットで5000円強という強気な価格!
硬くならずにクラッチの圧着が強くなるため、クラッチのキレが良くなるという一品。ほんまかいな。
アドバンテージのスプリングはこちら。
工房きたむら クラッチリテーナーキット
(カスタムしない人は交換不要)
WR界隈で評判の良いクラッチリテーナーです。
スプリングを抑えているネジです。なんとお値段6000円強!
純正スプリングはただワッシャーをネジで押さえつけてるだけ。
きたむらはテーパーボルトに合わせたリテーナーを使用しています。
クラッチスプリングを押す力が逃げず、スプリングのブレが起きづらいという一品です。
スプリング交換して締める段階でもう効果ありそうなのが分かります。
クラッチ取り外し!…の前に新品プレートのオイル漬け
サービスマニュアルには記載がありませんが、お作法的にプレート類はオイルに漬けてから取り付けた方が良さそうです。
乾燥したプレートが圧着されると焼き付いちゃいますからね。
とはいえマニュアルに書いてないなら不要?誰か正解を教えてくれー。
やり方は簡単。キッチンから大きめのジップロックを1枚取ってきてオイルを入れて漬けるだけ。
オイル交換と同時にやってるなら廃油でもいいですし、ジップロックがなければゴミ袋で良いです。
クラッチ分解(取り外し)
お買い物が済んだら早速作業に取り掛かりましょう!
まずは古いクラッチを取り外します。
まずクラッチカバーを外すのにブレーキペダルが邪魔なので動くようにします。
ブレーキペダルの軸ネジの裏側の割りピンをラジオペンチなどで引っこ抜きます。
あとはネジを緩めると軸ネジが取れます。
この時点でブレーキペダルはゆるゆるのはず。
次にクラッチカバーを取り外します。下の画像の3点の赤丸のネジを外します。
クラッチカバーが取り外せたら下の画像の6点の青丸のネジを外します。
ようやくクラッチとご対面です。
カバーが外れにくい場合はゴムハンマーなどで優しく叩いてください。
次にスプリングを止めているネジを緩めます。5点です。
ネジを外す際にバネが飛ぶかもしれません。最後は慎重に。
5本のネジを外したら下の画像のようにプレートプレッシャーが外れます。
プレートプレッシャーに割れ欠けがあれば交換です。チェックしましょう。
いよいよプレートを外します。
フリクションプレートとクラッチプレートが交互に入っているはずです。
最後の方が指で外すのが難しいのでマイナスドライバーなどでこじります。
クラッチのケースを傷つけないよう注意しましょう。
これで取り外しは完了!お疲れ様でした!
消耗状態のチェック
さて、取り外せたので各パーツの摩耗状態をチェックしましょう。
流用するパーツがあればチェックしてください。
- フリクションプレート厚さ
新品:3.10mm
使用限度:2.80mm - クラッチプレート歪み
新品:歪みなし
使用限度:0.10mm - スプリング
新品:41.20mm
使用限度:39.14mm
※ここまでのパーツは損傷があれば使用限度に関わらず交換 - クラッチハウジング/クラッチボス(クラッチケース)
損傷・ピッチング・摩耗があれば交換
下の画像のプレート類が入ってたケースの
内側のギザギザのパーツ:クラッチハウジング
外側のギザギザパーツ:クラッチボス
となります。それぞれ大きな傷がないかチェックしましょう!
クラッチ取り付け
はじめにケースを開けてしまったのでガスケットを変えましょう。
爪で引っ掻くとペリッと剥がれます。新品と置き換えるだけです。
あとはトルクを守ってプレートとネジを元に戻すだけです。
フリクションプレートとクラッチプレートを交互に入れましょう。
最初と最後の1枚はフリクションプレートになるはずです。
不安な人は取り外す前に写真を撮っておくと良いと思います。
ギザギザに合わせてプレートを差し込んでいきます。
新品プレートを入れたら下の画像の状態になります。
そしたらいよいよスプリングとクラッチリテーナーを取り付けます。
クラッチリテーナーは向きがあるので注意!
下画像のネジとピッタリ合うようになってる方がネジ側です。当たり前ですね。
リテーナーにはワッシャーが付属しており、ワッシャーを挟むほどクラッチが軽くなります。
強化スプリングを入れる人はスプリングによって多少クラッチが硬くなります。
クラッチを硬くしたくない場合はリテーナーで軽くしてバランスを取ると良いと思います。
スプリングをリテーナーで締め付けます。
トルクは8Nm(0.8kg/m)です。
取り付けたらこんな感じになります。
かっけぇー!まあ蓋閉めるんだけどね。
じゃあ蓋を締めていきます。
ボルトに長短があるので気をつけましょう。赤丸が長いボルト、青丸が短いボルトです。
締め付けトルクは10Nm!
短いとこに長いボルト入れたら明らかに余るから気づくと思います。
あとはクラッチカバーを付けるだけ。
こちらも締め付けトルク10Nmです。
(余談)クラッチカバー変えました。
ヤフオクで売ってる個人制作品のクラッチカバーに変えました。
詳しくはこちらの記事で書いてるよ。
テスト走行!
必ずテスト走行しましょう。いきなり公道で全開とかしないように。
- エンジンをかける前にクラッチレバーを握ってみて違和感がないか
→レバーが全く引けないなどがないか - エンジンをかけてクラッチを全握りのまま1速で進もうとしないか
→全握りで進もうとする場合、クラッチレバーの位置調整が必要です - クラッチのつながる位置がいつも通りか
→クラッチのつながる位置がいつもと違う場合はクラッチレバー側で調整しましょう
クラッチレバーの調整はした画像の赤丸を緩めて青丸を回すことでできるよ。
(ワイヤー外した画像だけど、ワイヤー外さなくても調整可能)
OKなら低速から走行テストしましょう!
まとめと感想
作業時間は長くかからないのですが、デリケートな部分の整備なので精神的に疲れますね…。
でもクラッチのフィーリングはかなり変わりました!
クラッチが繋がる位置がめちゃくちゃ明確になりました。これがキレか…。
リテーナーの効果かスプリングの効果か分かりませんが、やる価値ありです!
記事の中で分かりづらい等あればコメントください。
クラッチケーブル交換ではなく、エンジンの中のクラッチの交換です。
クラッチケーブルの交換方法はこちらの記事をどうぞ。